「SAVE TIBET:アジア・パシフィック・フォーラムへのメッセージ」

「チベットを救え!アジア・パシフィック・フォーラム」が7月1日から3日に東京で開催され、オーストラリア、ニュージーランド、台湾、日本の議員をはじめとするチベットを支援してくださっているみなさまが集まり、話し合いをされることを知り、私は大変うれしく思っております。

今日のチベットは、まさにチベットの人々の生存をかけた非常に危機的な時を通過しています。チベットでは依然として厳しい状況が続いているのです。チベット全土で行なわれたこの度のデモや抗議行動は、チベットの人々がチベット高原の現状に深く根ざした不満を抱いていることの明確なあらわれです。チベットを中国に同化しようとする中国の絶え間ない試みにより、チベットの精神的文化遺産は失われつつあります。国際社会がチベットの人々のかわりとなって明確に意見を述べることが重要であるという理由はそこにあるのです。

我々は、チベット問題を解決するために対話を通して双方が受け入れることのできる解決策をみつけるための努力を続けています。先日訪れたオーストラリアでは、私は、中国メディアの代表者たちにも中国人が集まった場でも、「我々は、アンチ(反)中国でもアンチ(反)中国人でもなく、中国と中国の人々に大きな称賛をよせている」と確信を込めて申しました。中国人の兄弟姉妹に可能なかぎり歩み寄り、心を通わせることが、いま、極めて重要なのです。

偶然にも、みなさんのフォーラムと時をおなじくして、私の特使と中国指導部の代表者による第7回目の公式協議が行なわれています。この協議は極めて重要なときをむかえています。この第7回目の公式協議が、顕著な進展を導く対話となることを願っています。

この度のフォーラムでは、チベット亡命政府外務大臣のケサン・ヤンキ・タクラ氏が基調講演をなさると知り、私は大変うれしく思っています。チベット問題を解決するために我々がいかに中国側に働きかけているかについて、ケサン・ヤンキ・タクラ大臣が詳しく話してくださるでしょう。

最後に、「チベットを救え!アジア・パシフィック・フォーラム」を主催してくださったみなさまに、そして自由と正義を求める非暴力の闘いに惜しみない支援をくださっているみなさまにお礼を申し上げます。これまでも繰り返し申していますが、我々は、とくにアジア太平洋地域のみなさまからの尊い支援を心の宝としています。またこの場をおかりして、みなさまの話し合いの成功をお祈りさせていただきます。

祝福の祈りをこめて                                

2008年6月30日
ダライ・ラマ